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美術品の売却方法|専門店vsオークション

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相続したり、収集された絵画や美術品を売却したい時、検討すべき売却先としては美術商かオークション会社です。

画廊・美術商の場合

画廊、古美術商など専門店は、美術品の評価額を元に買い取り価格を提示します。評価額というのは美術商間の業者価格です。オークション価格とほぼ同じ金額です。

その、専門店が得意としている分野、作家の場合買い取り価格が多少よくなることはあります。

1番高く購入してくれる美術商は何処か?

そもそもいくらくらいの値が付くのか?

ある程度知識がないと相談しにくいですね。一括査定のようなサイトや、気軽に相談できる窓口が欲しいものですが正直今はまだありません。

ホームページから「高価買取」「○○作家探してます」など掲げている画廊から数店舗あたりをつけてご相談されて、納得できそうなら実際作品を持ち込んでアドバイスに従い合意できたら売却するという手順です。

ただ画商の場合本業は販売ですから、興味がない作品の相談には親身になってくれるか疑問です。

オークション会社の場合

オークション会社は、過去の落札価格のデータを持っています。そのデータに照らし合わせて客観的な落札予想価格を設定し、その価格を前提に競るわけですから価格に透明性があり売却額も納得できますね。

ただ時間がかかります。落札された場合は出品から現金化まで3~4ヶ月、不落札の場合もありますので注意が必要です。不落札の場合は価格を下げて次回のオークションに出品することもできます。

出品依頼の相談もホームページ上で大方済みます。美術商に出向いて交渉するより気軽でしょう。オークション会社は出品してくれる作品を集めることが仕事ですから、相談だけでも大歓迎してくれます。作品に鑑定書が必要な場合も代行してくれます。

売却品目が多様な場合

相続などで取得した場合、ガレ・ドームなどの西洋骨董、中国陶器、日本骨董、日本画、洋画、お茶道具など多様な美術品が含まれることが一般的です。一軒の美術商にすべてをお願いするのも無理ではありませんが納得できるかは別問題です。

オークション取り扱い品目

オークション会社は、いろいろな商品を扱います。

アールヌーボーの「ガレ」「ドーム」やアールデコの「ラリック」などのガラス工芸品。

高価なオールド・マイセンやK.P.M(多色仕様の絵画のような陶板)。

大理石彫刻。ウェッジ。ウッドやロイヤル・コペンハーゲンなどの陶器食器類。バカラなどのガラスの食器やオブジェ。

ペルシャ段通など絨毯。

ビンテージ家具。

中国・朝鮮の古陶磁。

日本の高額な茶器・茶道具や古陶磁。

明治以降の文化勲章・人間国宝の陶芸家から現代陶芸家の作品。

室町から江戸までの書画。

明治以降の文化勲章作家の日本画・洋画・彫刻・版画家から現代作家の作品。

古美術の蒔絵漆の調度品・家具から人間国宝、文化勲章の工芸家および現代工芸家。

一流ブランドの宝飾品やバックなど婦人小物。

一流ブランドの時計。

一流ブランドの紳士小物。

鑑定書付きカットダイヤモンドの数々。

ライカなどのカメラ。

ロマネコンティなどのビンテージワイン。

などなど多岐にわたって開催されています。

国内オークション会社

主だった、オークションとして、「毎日オークション」「シンワオークション」があります。

他にも、ありますが、この2社を推薦します。

オークションの流れとしては、出品依頼、作品渡し、カタログ掲載、オークション、売却、振込という手順になります。

鑑定書が必要な作家は、オークション会社が代理でしてくれるので、便利です。

鑑定機関は、東京美術倶楽部、大観記念館、ご遺族、洋画商協同組合、日動画廊など、様々で煩雑です。金額も鑑定料1万円、鑑定書発行2万円から、鑑定料5万円、鑑定書発行5万円まで、作家によって違います。

鑑定料は、作品が贋作と判定された時もかかります。また、同じ作家を、別々な機関がそれぞれ鑑定しているということもあります。東京美術倶楽部が鑑定書を出している作家は、他に鑑定機関があっても、東京美術倶楽部の鑑定書だけで大丈夫です。

毎日オークションの出品の場合

毎日オークションのホームページに「無料出品・査定お申込み」フォームがあります。一度に5点申し込みできます。さらに多い場合は、数度に分けることで点数を加算できます。作品写真は、1点につき1枚添付ファイルとして送れます。

この段階で、おおよそのオークション落札予想価格(エステメート価格)を提示されます。その金額以上で必ず落札されるという保証はありません。不落札の場合もあります。

不落札の場合、1週間、アフターセールとして、毎日オークションが販売に努めます。

1週間過ぎても合意価格で販売できなかった時は、毎日オークションを通して第3者に直接交渉して販売をお願いするか、次のオークションに再出品してもらうか、返却をお願いするかを決めます。

次のオークションは、数か月先になることが多いので、それまでの保管料がかかります。

返送をお願いする時も、梱包料、配送料は出品者の負担となります。

それらを了解の上で出品を依頼する場合次に作品を自分で運ぶか梱包して毎日オークションへ送ります。本人確認書類を一緒に提出してください。運転免許証のコーピーや住民票になります。

出品する際にオークションカタログの年間購読会員以外は出品手数料がかかります。

出品手数料

10点までは5,000円

11点~20点までは10,000円

21点以上は20,000円

落札された場合は、売却手数料が相殺されます。

売却手数料

7万円未満は、一律 10,800円

7万円~50万円未満 16.2%

50万円以上  10.8%

となります。消費税が8%時の計算です。

代金支払いは、オークション開催日の20日後、出品者の指定口座へ振り込まれます。

シンワアートオークションの場合

出品の相談は、シンワアートオークションへ電話かメールにてお問合せください。

シンワオークションは、もともとは美術商主体のオークションとしてスタートしています。美術商が役員として参加しておりますので、美術全般の相談も出来ます。

鑑定書の代行、修復してから出品したほうが高く売れそうな場合、表具師、額縁屋への取次依頼発注など実費で請け負ってくれます。

出品依頼する場合は、登録し販売委託の契約をします。その時、身分確認証の提示などが必要です。

出品する費用が2種類かかります。

1つ目は、オークションまで作品を預ける保管、保険費用です。

美術品は年率0.7%です。60日ほど預けることが一般的です。

販売希望価格100万円の作品の場合で、60日預けますと、1,150円(税込)必要となります。

2つ目は、カタログへの掲載料が必要です。

オークション会員でない場合は、5,000円~50,000円かかります。メインオークション出品とサブオークション出品で金額が違うのと、1ページ掲載か2ページ続きで掲載かで金額が変わります。

オークション自体の販売手数料は、落札価格の10.8%(税込)です。

代金は、オークション開催日から35日以内に指定口座に諸経費を相殺して振り込まれます。

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