オークション 世界事情

美術品の売買もオンラインが主流になる

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すべての人・物・サービスの仲介となっているインターネットは重要なインフラであり、今後さらに重要性を増すことに意義を唱える人はいないと思います。
オンラインからの情報漏れも心配ですが、買い物難民とか高齢者の買い物とか行政サービスとか金融サービスを考えると、メリットの方がはるかに大きいと思います。

ブロックチェーン技術が鑑定書に使われる

ブロックチェーン技術は、証明を必要とされる事案の重要な技術です。偽造を防ぎ、唯一無二を証明してくれます。実際すでにブロックチェーンの鑑定書がついた美術作品が流通しているようです。銀行の送金システムだって取って代わられる可能性が高いほどの信頼性が高い技術ですから、鑑定書が必要な美術品の正当な所有者の権利を守る手段になる可能性は高いでしょう。

作品を実際に見なくてもオンラインだけで購入

マレット・オークションで気になる作品がありました。この時は下見会にも会場にも行けない状況でした。そもそも引っ越しをしたことで住所が変わりオークションカタログさえ手元になかったのです。配信されたメールにオンラインカタログのアドレスがあり、出品作品を閲覧できました。電話で作品の状態やカタログでは見れない額の状態を聞いたところ、早速作品の解像度の高い写真がメールで送られてきて状態を知ることができました。会場には行けなかったので書面で入札しました。
数年先にはVRをつけヴァーチャルでオークション会場を見て回れるようになるかもしれません。

オンラインで世界中が単一市場に

世界ではインターネットのやりとりだけで実際に作品も見ずに、億単位の作品の商談が成立しているようです。今や遥か遠い世界の裏側ともリアルタイムでオンライン商談が行われています。オンラインで作品を販売している大手サイトは毎年増えていて規模も拡大しています。世界中どこへでも発送してくれます。そのマーケットは今や百万人規模になる勢いです。

メガギャラリーのオンライン参入の危機感

世界のメガギャラリーの上位2社の「デイヴィッド・ツヴィルナー」と「ガゴシアン」が本腰をいれオンラインに参入しました。世界中にリアルギャラリーを持ち世界中のアートフェアーに大規模に参加している2社がなぜ専任ディレクターまでおいてオンラインに力を入れるのか。不思議な気がします。オンラインビジネスは持たざる者のにこそメリットがあると思っていました。
それぞれのギャラリーの取り組み方を見てみましょう。

デイヴィッド・ツヴィルナーのオンラインサイト「ビューイング・ルーム」

デイヴィッド・ツヴィルナーでは、オンラインサイトを開設したことでデーターによるやりとりだけで成立する商談が3割も増えたといいます。
デイヴィッド・ツヴィルナーのオンラインサイトは「ビューイング・ルーム」という。2007年1月開設されました。

実店舗ギャラリーで開催中の催事の作品の価格・販売状況をオンラインで確認出来るといギャラリー催事連動型の運営をしているようです。

実店舗に行けない世界中のユーザーを対象に専属のディレクターを置き、メインギャラリーとして力をいれています。

2017年開催のセール「草間彌生版画展」では、オンラインで問い合わせを受けた件数のうち新規顧客からが37%と予想以上の反応で作品も1週間で完売したようです。

ガゴシアンのオンラインサイト「オンライン・ビーイング・ルーム」

ガゴシアンの開設したオンラインサイト「オンライン・ビーイング・ルーム」は「アート・バーゼル」に合わせ10日間の期間限定で開設されました。

顧客はオンラインで「アート・バーゼル」会場に展示してある作品の価格・販売状況が確認できました。また、時差に関係なく世界中の顧客の問い合わせに対応するため24時間ライブチャットをスタンバイにさせておいたようです。この期間に世界中から537人の新規顧客から問い合わせを受けたと発表しています。素晴らしいマーケティング効果です。

10日間で、億万長者の今後顧客となりうる見込み客537人の新規顧客名簿を獲得したわけです。

 

オンラインは無店舗、ローコスト(ほとんど無料)で世界展開可能なバーチャル・ストアを誰でも展開できる、弱小企業、ニッチ企業のマーケッティング手法と以前は考えられてきました。

強者がその圧倒的な物量と信頼性を武器に、リアルとバーチャル双方を掛け算で使ってきたわけです。美術市場のハイエンド層をAMAZONのように独占していく勢いですね。

 

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