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美術品の管理|美術品に動産保険をかけるべきか

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高価な美術品を自宅で管理することに不安を感じる方も多く、保険に入るべきか相談を受けます。盗難と火災が主だった不安要因です。必要かどうか考えてみます。

盗難対策

盗難に関してはまず泥棒が個人宅や会社に潜入し美術品を狙って持逃げすることはありません。換金がむすかしいからです。

美術商に盗難品の知らせが発せられ持ち込まれればすぐ判明します。また美術商の換金市場に交換会という業界競市があります。画廊をパスしても交換会に全国から作品が持ち込まれるので、ここで盗品と判明し現金化を阻止しています。美術品が簡単に現金化できないのがこの場合メリットになってます。

盗難に注意しているのはむしろ美術商です。美術展会場で盗難に会うことがあります。以前デパートで三輪休雪の高価な茶碗が盗難されてことがあります。盗難は不特定多数が行き来して作品が手に取れる状態にあって、人目が届かないといそういう場合のみ起こり得るのです。

このような場所での盗難はプロ集団です。すでに買ってくれる客を見つけているか、海外へ送られ、国内の防犯ネットをすり抜けてしまいます。ということで個人ではほぼ心配しなくてもよいと考えます。

ビルのロビーに飾ってあった作品が白昼盗難にあったことがありました。数人で人々が行き交う中、堂々と持ち去った事件です。目撃した人は絵の掛け替えをしている業者だと思っていたようです。これらは保険というより管理体制に問題があったわけです。

個人では盗難対策としてコレクションの作品写真を撮っておくことと、鑑定書と作品を別に管理することで回避できます。

 

火災対策

入るとすれば火災保険です。普通の些細保険では保険金額30万未満までは補償されます。30万円以上の保険は明記物件として申請することで火災契約でカバーできます。100万円以上の補償には対応していないところがほとんどです。

そこで動産総合保険になるわけですが留意すべき点があります。

動産総合保険の留意点

  • 保険金額を契約者が決められない(保険会社の調査による時価額となる)。
  • 経年変化(退色・シミ・カビ・やけなど)は対象外である。
  • 保管場所などの調査(周辺地域の環境や保管家屋の構造など)がある。
  • 管理者の適切に管理していたかが問われる。
  • 思った金額が支払われない。保険料率が高い。

動産総合保険には個人用と法人用が用意されています。このような理由で美術商以外の個人にとってメリットが大きいかはそれぞれの考え方次第です。

 

保管環境が大事

火災・盗難の万に一つの危険への対処より保管場所の温度・湿度の管理環境への対処を優先すべきでしょう。

 

 

参考動産総合保険の料率方法

保険料=保険金額(対象物とする動産の時価額)×適用料率

適用料率を決定する要因

基本料率=保管場所の建物の火災保険料率+保険の目的による追加料率+その他危険料率(保管場所以外での事故を補償する場合)

個人では保管場所の建物の火災保険料率が適用料率になります。

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