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ダミアン・ハーストのホテルは加山又造のゴルフ場を思い出す

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世界的には現代美術でなければ美術でないのか?と思われるほど現代美術一辺倒です。現代美術の手法のグロテスク・キッチュ・コミカル・バイオレンス・巨大化などは気が休まるというものでもありません。

しかしなんとダミアン・ハーストが寛ぎを提供べきラスベガスの超高級VIPホテルの改修にあたり監修デザインしたことで話題になっています。ご存知のとおりホルマリン漬けのサメで有名なあの作家です。完成したホテルにはやはりあのサメが飾ってあるようです。

ダミアン・ハーストのデザインした部屋は、カラフルでクリスタルで鏡の多いパーティー会場という様相のホテルでした。

日本でもバブル時代、千葉に鳳林カントリークラブという加山又造がクラブハウスを監修した豪華なゴルフ場が作られました。

今どうなっているのか・・

そんなことを思い出させるニュースです。

スーパーリッチのスーパーリッチによる現代美術ブーム

現代美術のアートフェアーは0.1%のスーパーリッチのコレクターが自家用ジェット機や巨大ヨットで登場し、セレブの社交場となっています。

小さな国の国家予算ほどの莫大な大金を動かせるビックコレクター中心のアート狂乱時代です。

イギリスの「アート・レヴュー」誌では、美術業界でもっとも力のある100人の名刺録「パワー100」、アメリカの「アート・ニュース」誌では、200人のトップ・コレクターの人名目録を毎年発表しています。

この人たちこそビックコレクターであり美術業界を牽引している一握りのセレブです。その上、みんな知り合いということです。

ダミアン・ハーストデザインのパームズカジノリゾートも加山又造の鳳林カントリーもコンセプトは同じです。

お知り合いたちの会員制クラブのようなものでしょう。

 

なかなか回復しない日本の美術市場状況

すこしクレージーがかった世界の現代美術市場の拡大はご承知の通りです。その隆盛に比べ日本の美術市場はなかなか上向かない状況です。

世界の事情と違い日本ではまだまだ市場に出てくる明治以降の近代の美術品があります。バブルの時代に愛蔵されていた明治以降の近代美術の名品が市場に放たれ、相当数の作品がまだ美術館に収まらずにいます。

いろいろなオークション会社のカタログをチェックしているとそんな名品に出会うことがあります。

自分だけのプライベート美術館で寛ぐ贅沢

日本ではこれからでも近代美術の質の高い個人コレクションを築くことが可能です。

現代美術も素晴らしいですが、時間とともに入手が困難になっていく美術品に目を向けてみることもいいのではないでしょうか。巨匠であっても過小評価されている作家が多くいます。

自分が好きな巨匠のプライベート美術館を無理のない範囲の資金で実現するというのも、今でしたらまだ可能です。

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